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本阿弥光悦Ⅲ [芸術]

昨日お話しした内容をその作品を見ながら解説致します。

昨日のお話と重複しますが、

その第一は、第一筆目の入り方に光悦独特の竹半で見られることです。

例えば『秋風辞』の「秋」の文字の拡大写真などを見てもわかるように、

最初の一筆目の力の入れ方、筆の長い方などは非常に特徴をあらわしています。

またこの字には、張即之(※)の字を勉強したあとがみられます。

次の「風」もすばらしい筆の入り方をしていますし、この字は空海の『風信帖』ともよく似ています。

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これは紙の上への墨での書のみならず、

『春日山螺鈿蒔絵手箱』や

『竹 光悦書花入 降雪』『糸瓜図竹花入』など

器物の上への漆での書(蒔絵など)にも同様に見られる特徴です。

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このような、文字への筆の入り方の例として、

『色紙貼交藤葛図屏風』の色紙の中から「鷹」の頭の入り方、

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『書状』の中から「九」の字の入り方などを上げることができます。

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また、文字への入り方と同様に、文字の中での長く引く部分から筆を離すまでの筆の流れ、文字からの筆の出方にも独特の特徴が見られます。例えば、『職人歌合 鍛冶番匠』の「人」の文字を見ますと、一筆目の右上からの入り方と、二筆目の右下への伸びていくいきかた、筆の出方に特徴があります。この時の筆使いは、一息も入れずに、一気に書かれています。

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同じ特徴は、『歌仙図 中務』や『和歌巻断簡 百行』『貼交屏風』の「し」の文字に見られます。
これらの「し」の入り方を見れば、光悦の書の真贋はすぐ判ります。

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明日はこの書以外についても、書いていきましょう。

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