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法隆寺宝物館の百済観音 [芸術]

百済観音

法隆寺の宝物館には、素晴らしい美術品が多くあります。

その一つとして飛鳥時代の木彫を代表する仏像である百済観音があります。

百済観音1.jpg

救世観音も木彫仏ですが、この百済観音は大分様相がかわっています。

名前からして百済人がつくったと思われますが、

日本の同時代人よりすぐれた感覚の持ち主の作者であることが推測されます。

この仏像の様式は六朝から百済へ仏教が伝り、

朝鮮半島を通って日本に伝えられたもので、

中国の六朝様式で作られた釈迦三尊とは基本的に異なっています。

お顔や目がはっきりと見えませんが、きつい目をしており、

身体が細くスラツとして、足も長く、

体は細いが、手や体の線、足には力強さが有ります。

この力強さは飛鳥時代の仏像の特徴ですが、

身体がほっそりと長い割にバランスよく立たせるために、

足が大きくべったりとして前に出ています。

百済観音2.jpg

また、右手が直角に前に出ており、これも強い感じがします。

このように、直角に腕を曲げているののも飛鳥時代の特徴です。

左手はスラッとして優雅でやさしく、

ほかにはこのような手をした仏像がないので、

飛鳥時代のものとしては特殊であるといえます。

さらに手がかろやかに水瓶を持っており、

この水瓶の形も非常に素晴しいものです。

仏像によってはこのような水瓶を持っているものと

華瓶をもっているものがあります。

水瓶は口が細く、華瓶は囗が太いのが原則ですが、

ほとんど違いはなく後の時代でははっきりしないものが多いようです。

下の台の格挟間は古い形式で、

後で解説する宝物館の玉虫厨子の格挟間と共に飛鳥時代のものです。

ただ、残念なのは拝観する場所が狭く、長身の仏像を真下から見る事になるので、

バランスや作者のねらいが感じとりにくいことです。

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